ゴム(ビニール)手袋の選び方

手袋が原因の手湿疹とは!?

手肌を保護するために使用したゴム(ビニール)手袋が悪化の要因になっているケースがあります。

次のいづれかに該当するケースが多くみられます。

最も多いのはラテックス(天然ゴム)アレルギーです。ゴム手袋でなくてもゴムが部分的に使われている軍手なども同様に注意が必要です。

ラテックス(天然ゴム)製のゴム手袋をお使いの方は、別の素材の手袋に切り替える

ラテックスアレルギーの原因物質は天然ゴム由来の水溶性タンパクのため、内部が蒸れやすいゴム手袋の下に綿手袋を重ねても予防できませんのでご注意ください。

このタイプのアレルギーは即時型過敏症のため、お使いになると比較的早い段階でかゆみなどの自覚症状が起こります。

予防のために手袋をしているのに症状が悪化してしまっても、それは手袋をすることによる蒸れやこすれのせいだと思われて、ラテックス製の手袋のご使用を継続する方も少なくありません。

使っている手袋が天然ゴムではないにも関わらず、手湿疹が良くならないケース

手袋が原因で起こる手湿疹には、ラテックスアレルギーの他に接触性皮膚炎があります

アレルギー性接触皮膚炎

ラテックス以外の手袋の場合でも、素材に関係なく製造過程で使用されている化学物質(加硫促進剤/可塑剤/熱安定剤)が原因で起こる遅延型過敏症です。

接触してから24~48時間後に、炎症やひび割れ、水泡ができる場合があります。

ラテックス製の手袋から塩化ビニールやニトリルの手袋に切り替えたにもかかわらず、症状が改善しない症例が近年増加傾向にあります。

刺激性接触皮膚炎

アレルギーではなく、手袋を装着することで起こる物理的な”こすれ”や”密閉”が原因で起こる皮膚炎です。

ゴム(ビニール)手の下に、綿手袋を装着することで刺激をやわらげることできます。

アレルギー性接触皮膚炎は、使用直後に自覚症状が現れない

原因が「アレルギー性皮膚炎」の場合でも、手袋を使用してからかゆみなどを感じるまでに24~48時間かかることから、原因が手袋とは思わず同じ手袋を使い続ける方が多くいらっしゃいます。

塩化ビニール

添加剤として使用されている「可塑剤」などの化学物質が接触性皮膚炎の原因になることが判明しており、とくに手袋が不可欠な医療従事者の間では広く知られています。

ニトリル

ニトリルには「加硫促進剤」という添加剤が多様されており、これが原因の手湿疹が増加傾向にあります。

最近では、加硫促進剤未使用の新素材で製造された業務用手袋が数社から発売されています。

以下を参考に手袋を切り替えましょう

天然ゴム製の手袋の使用は中止する

相談担当

ゴム(ビニール)手袋を日常的に使用するかたは、手袋の素材を必ず確認してください。素材がラテックス(天然ゴム)の場合は別の素材にすぐに切り替えましょう。

ラテックス(天然ゴム)にアレルギーが無い方でも、荒れた手に使い続けることで、将来的にアレルギー発症のリスクが高くなるので、お控えいただくことをおすすめします。

ラテックス(天然ゴム)は、中に綿手袋を重ねてもダメ

相談担当

ラテックスアレルギーの原因物質は天然ゴム由来の水溶性タンパクです。

手袋内部が蒸れることで溶け出してしまうため、綿手袋を重ねても影響を防ぐことができません。 必ず別の素材に切りかえる必要があります。

軍手も注意が必要です

相談担当

作業用の手袋や軍手は関係ないと思われがちですが、滑り止め加工などでゴムが部分的に使用されているものが珍しくありません。

過去に「綿100%」と思って使っていた保護用の手袋が、実は綿以外の素材が部分的に使われており、その部分が原因だったという事例が発生しております。

まずは、塩化ビニール製のゴム手袋を試す

相談担当

塩化ビニールはアレルギーを引き起こす心配は少ない素材とされていますのでまず最初にお試しください。

ただし、ニトリルと比較すると使用されている添加剤が多く、まれに肌に合わない方もいらっしゃいますので、最初は綿手袋(手首にゴム部分がなく、滑り止めもついていない綿100%)を重ねて使用しましょう

シルクの手袋はアレルギーの原因物質なのでお控えください

ニトリル(合成ゴム)の手袋を試す

相談担当

添加剤が少なくアレルギーの原因物質が少ない素材です。

極薄で手肌に密着するタイプは手袋内部が蒸れやすく摩擦が起こりやすいので、適度の余裕があり繰り返し使えるタイプをおすすめします。

ここまで試しても手が荒れる場合

相談担当

加硫促進剤未使用のニトリル製の手袋が数社より発売されています。

市販されている加硫促進剤フリーの手袋には、「1:製造工程では加硫促進剤を使用しているが完成品からは未検出」と「2:製造工程で一切の加硫促進剤を使用していない」という2タイプが出回っています。

「1」は微量の加硫促進剤が残っている可能性もありますので注意が必要です。詳しくは各メーカーにお問い合わせください。

手袋をかえたら1ヶ月は様子をみて

相談担当

ラテックス(天然ゴム)アレルギーは 即時性アレルギーのため、該当する場合はラテックスとの接触がなくなると比較的早い段階で変化が現れます。

一方、接触性皮膚炎の場合は遅延性のため、影響が表面化するまでに24時間~48時間かかるとされていて、原因物質がつかわれている手袋を使用してすぐに痒くなることや、中止してすぐ改善してくるということが少なく、ある程度時間がかかります。

そのため、手袋を切り替えても改善しているとは思えないと、元の手袋へ戻してしまったり手袋が原因ではなかったと結論づけてしまう方が多いようです。

手袋を買い替えて頂いたら、少なくとも1ヶ月は様子をみていただくことをおすすめいたします。